複数の弁膜症を有している連合弁膜症ではその病態把握や治療方法の選択が難しいことが多い.急性心不全を発症している病態では,弁膜症の
治療としての薬物治療には限界があり,外科的治療が必要な患者はタイミングを逃すことなく手術に踏み切るべきである223),224).外科的治療の適
応の詳細については,「弁膜疾患の非薬物療法に関するガイドライン(2007年改訂版)」に準拠する.薬物治療にて急性心不全の症状を軽減した後,
薬物治療,経カテーテル的治療,外科的治療の選択には患者背景や病態を踏まえた総合的判断が不可欠である.ここでは僧帽弁と大動脈弁の急
性弁膜症に関して解説する.