急性心不全の初期対応は診断と治療の同時進行である(Ⅱ.2.3.参照).患者を受け入れる前に,当該施設で行える緊急検査と各部署が確保でき
るスタッフ数を把握しておく.緊急性が高い患者ではリーダー医師の指示のもとに統率のとれたプロフェショナルなチーム診療を必要とする.
まず来院時の生命徴候をチェックする.意識の有無を確認して,BLSやACLSに則りながら診療を開始する37).次に,主症状の改善や緩和を目的とした
処置を施し,急性肺水腫,心原性ショック,慢性心不全の急性増悪などの病態を見極め,それぞれの病態に応じた初期対応を開始する(表20,図3)