腎機能および輸液量により1日に必要な尿量の目標は異なってくる.時間尿量40mL以上,1 日尿量1,000mL以上が望ましく,最低でも1日尿量が
500mL程度になるよう確保する.一方,急激な除水による脱水を招かないためにも,1日の除水目標は体重で- 1kg~- 1.5kg範囲を目安とする.不
感蒸泄を考慮に入れると,水分の出納は- 500mL~- 1,000mL程度を目標にする.経口,経静脈的に投与している投与量を計算に入れ,必要な尿
量を算出する.尿量確保にループ利尿薬などの静注は必須である(クラスⅠ)(表17).強い利尿作用を生じる結果,時に血圧低下や脱水による塞栓症
などのリスクを招く.しかし,急性期の抗凝血療法を支持するエビデンスはない.フロセミドのNa 利尿は15~ 30分で現れる.できれば,フロセミド5 ~
10mgの少量から静注し,反応を確認しながら増量していく.フロセミド単回投与静注に抵抗性の場合,フロセミドを持続静注すると血圧変動による尿量
減少も少なく,安定した尿量を少量で確保できることがある(クラスⅡa,レベルB)(表23).
利尿による除水が十分に行えない場合はECUMなどの適応を考慮する(クラスⅡa,レベルB)(表30).