急性心不全治療ガイドライン(2011年改訂版)
Guidelines for Treatment of Acute Heart Failure( JCS 2011)
 
 急性心不全患者の救急搬送時に,まず全身所見をチェックする.生命徴候をみると同時に急性心不全時の身体所見を見極める.急性肺水腫では起座呼吸となっている.急性肺水腫の重症患者では冷汗やチアノーゼも認める.肺うっ血が高度であったり,酸素投与下で来院するとCO2ナルコーシスのために意識レベルが低下したりする.また,原因疾患に限らず高度の低心拍出状態によって不穏状態や意識障害を認めることもある.右心不全が高度の場合には,血圧は低めで心拍出量も低下している.肺のうっ血所見も乏しく,表情は苦悶様で身の置き所がなく,少しでも楽な体位を患者自身が模索する.
1 全身状態の把握
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