急性心不全治療ガイドライン(2011年改訂版)
Guidelines for Treatment of Acute Heart Failure( JCS 2011)
 
 心拍出量低下が,右心機能低下に基づく場合の診断には,臨床症状のみならず心エコー検査が役立つ.このタイプの治療は左室機能の改善のみな
らず,特に右室の後負荷の軽減と収縮力の増強が重要である.このような場合は,ドブタミンとPDE─Ⅲ阻害薬の併用が有用である.PDE─Ⅲ阻害
薬は用量によって強心作用と血管拡張作用の比が異なる279).低用量のPDE─Ⅲ阻害薬は強心作用が主で,ドブタミンと併用することによりその強心
効果が相乗的に増強される279).併用する場合はいずれも低用量から開始する.

 内科的治療に抵抗する症例は,早期より心臓移植の適応を考慮する.急性増悪時の機械的補助を含め治療方針をあらかじめ検討しておく必要があ
る.
2 心拍出量の高度の低下が主体の場合
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