急性心不全治療ガイドライン(2011年改訂版)
Guidelines for Treatment of Acute Heart Failure( JCS 2011)
 
 ウイルス性心筋炎に対して使用可能な抗ウイルス薬は未だ開発されていない.一方,巨細胞性心筋炎や好酸球性心筋炎などの特殊型には発生機序としてアレルギーや自己免疫が関わっているものがあり,ステロイドや免疫抑制薬が有効と考えられる217).それに対して,ウイルス性心筋炎ではステロイドや免疫抑制薬はウイルスの駆除を遅らせ,心筋炎が遷延する可能性がある.したがって,現時点では心筋生検により特殊な心筋炎が診断されない限り,急性期にはステロイドや免疫抑制薬は積極的に使用しない.
1 原因に対する介入
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