急性心不全治療ガイドライン(2011年改訂版)
Guidelines for Treatment of Acute Heart Failure( JCS 2011)
 
 力になれるとき,医療者は患者と向き合うことは難しいことではない.しかし,力になれないとき,治療抵抗性の患者と関わり続けることは容易ではない.どれほど良いと思われる治療を提供しても,徐々に身体は負の方向に動いていく.医療者としての無力感を感じるとき,逃げ出したくなる思いを抱くこともある.治療抵抗性となった心不全患者と向き合い続けるためには,支えようとする医療者の支えが必要である.真の力とは,すべての問題を解決できる力ではなく,たとえ力になれなくても逃げないで最期まで関わり続けることのできる力である.誰かの支えになろうとする人こそ,一番,支えを必要としている.
4 支えようとする人の支えを知る
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