急性心不全治療ガイドライン(2011年改訂版)
Guidelines for Treatment of Acute Heart Failure( JCS 2011)
 
 苦しみとは単に息切れや動悸などの身体的な症状だけではなく,動きたいのに思うように動けなくなった,まだ生きていたいのにまもなくお迎えが来てしまうという,“希望と現実の開き”と捉える.この視点を意識するとき,何気ない患者の訴えから,多くの苦しみをキャッチすることができる.生命徴候や採血結果,画像診断など,目に見える数字だけではなく,患者の希望と現実との開きが苦しみであることを意識し,苦しみを丁寧に聴くことが最初の課題である.
1 苦しみをキャッチする
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