急性心不全治療ガイドライン(2011年改訂版)
Guidelines for Treatment of Acute Heart Failure( JCS 2011)
 
診療体制
クラスⅠ
 ・循環器内科医師の24時間救急対応:レベルC
クラスⅡ
 ・ 循環器疾患に対応できる重度患者治療病床(CCU・
HCU・ICUなど)の設置:レベルC
 ・ 心臓外科(緊急外科手術)および腎臓内科(透析・除水)
スタッフの24時間緊急対応:レベルC
 ・ 循環器治療に関する専門知識を持つ看護師の養成:レベ
ルC
院内検査項目
クラスⅠ
 〈24時間対応が必要となる検査項目〉
 ・ 血液生化学検査・動脈血ガス分析・胸部X線検査:レベ
ルC
 ・ 心電図検査・心エコー検査・血管造影検査:レベルC
クラスⅡ
 〈 入院治療中に亜急性期治療方針決定を行うために付加的
に必要となる特殊検査項目〉
 ・ ホルター心電図・心臓電気生理検査・心臓核医学・X線
CT・CMR:レベルC
特殊治療機器
クラスⅠ
 ・ 心電図・血圧・動脈血酸素飽和度測定モニター:レベルC
 ・ Swan-Ganzカテーテルによる心拍出量測定およびモニタ
リングシステム:レベルC
 ・人工呼吸管理機器:レベルC
 ・体外式ペースメーカ:レベルC
 ・透析および除水装置:レベルC
 ・大動脈内バルーンパンピング:レベルC
 ・経皮的心肺補助装置:レベルC
 ・補助人工心臓:レベルC
 急性重症心不全の診療に関する施設基準について,これまで明確な目標設定は行われてこなかった経緯がある.しかしながら,重症患者を扱う上
で,診療施設の設備および医療スタッフの準備状況が治療の成否を左右することは明確であり,高度化した医療設備を効果的かつ適切に提供すること
が,疾患予後改善の鍵となる.そのためには,急性重症心不全を扱う当該医療機関が,表33に挙げる項目についてその準備状況を再確認することが
必要である.

 表33に挙げる項目は急性重症心不全診療を行う医療機関の整備目標である.しかし,これらの必要性に関する統計学的検証は十分に行われていな
い.さらに,地域格差や施設間格差も生じている.したがって該当施設は提供できる医療レベルを熟知した上で適切に診療にあたることが必要であり,
また地域における病診連携を築いておくことが必要である.
7 整備されていることが望ましい診療体制および医療設備
表33 整備されていることが望ましい診療体制および医療設備
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