急性重症心不全の診療に関する施設基準について,これまで明確な目標設定は行われてこなかった経緯がある.しかしながら,重症患者を扱う上
で,診療施設の設備および医療スタッフの準備状況が治療の成否を左右することは明確であり,高度化した医療設備を効果的かつ適切に提供すること
が,疾患予後改善の鍵となる.そのためには,急性重症心不全を扱う当該医療機関が,表33に挙げる項目についてその準備状況を再確認することが
必要である.
表33に挙げる項目は急性重症心不全診療を行う医療機関の整備目標である.しかし,これらの必要性に関する統計学的検証は十分に行われていな
い.さらに,地域格差や施設間格差も生じている.したがって該当施設は提供できる医療レベルを熟知した上で適切に診療にあたることが必要であり,
また地域における病診連携を築いておくことが必要である.