急性心不全治療ガイドライン(2011年改訂版)
Guidelines for Treatment of Acute Heart Failure( JCS 2011)
 
 急性期から慢性期にかけて予後改善を見据えた治療を開始しなくてはならないが,現在のところ,大規模試験に基づいて有効性が確立された拡張性心不全に特異的な治療法はない.アンジオテンシン受容体拮抗薬272),アンジオテンシン変換酵素阻害薬273),β遮断薬274)の有効性を示唆する大規模臨床試験結果も報告されているが,確立した治療法としては位置づけられていない.したがって基本方針は,原因疾患に対する加療である.血圧コントロールが不十分な高血圧性心疾患患者では降圧療法を行う.虚血性心疾患患者では心筋虚血の解除が血行動態や症状の改善に結びつくと考えられる.
6 拡張性心不全の慢性期に向けた薬物療法
目次へ