急性心不全治療ガイドライン(2011年改訂版)
Guidelines for Treatment of Acute Heart Failure( JCS 2011)
 
 合併症を併発すると急性心不全死亡率は高くなる.例えば中心静脈カテーテル挿入は感染リスクを高める.特に,重症心不全,糖尿病,高齢患者では注意を要する.また,心不全発症時に多くが腎機能を悪化させる.急性腎障害を発症する1型急性心腎症候群(急性に心機能が低下し腎機能障害が生じた場合を1型,慢性に心機能が低下し腎機能障害が生じた場合を2型)の診断には血清クレアチニンやシスタチンC26),およびこれらの値から得られる推定糸球体濾過率が用いられる. また,N-GAL(neutrophil gelatinase-associated lipocalin)など新たなマーカーも登場した.これらがベットサイドで即時的に診断できるようになると初期治療に影響を与えることになる.
4 合併症の診断
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