慢性閉塞性肺疾患(COPD)は心不全患者の約20~30%に併存し257),心血管死の独立した危険因子であるが258),未だに十分認識されていな
い.心不全とCOPDの増悪による呼吸不全の鑑別診断は困難であるが,BNPあるいはNT-Pro BNPが診断の助けとなる257),259).心不全とCOPD
を併存した患者に対してもACE阻害薬,β遮断薬,ARBが推奨される259).β遮断薬はCOPDを併存した心不全患者の大多数においても安全に使用
できる.導入時は少量からゆっくりと増量することが望ましい260).コントロールされていない喘息合併例においては注意が必要である.COPDの治
療は原則として心不全治療と並行して継続する261),262).