急性心不全治療ガイドライン(2011年改訂版)
Guidelines for Treatment of Acute Heart Failure( JCS 2011)
 
クラスⅡa
COPDを併存した心不全の治療において,ACE阻害薬,
ARB,ベータ遮断薬,利尿薬は推奨される.COPDの治療は,
心不全治療と並行して継続する:レベルB
 慢性閉塞性肺疾患(COPD)は心不全患者の約20~30%に併存し257),心血管死の独立した危険因子であるが258),未だに十分認識されていな
い.心不全とCOPDの増悪による呼吸不全の鑑別診断は困難であるが,BNPあるいはNT-Pro BNPが診断の助けとなる257),259).心不全とCOPD
を併存した患者に対してもACE阻害薬,β遮断薬,ARBが推奨される259).β遮断薬はCOPDを併存した心不全患者の大多数においても安全に使用
できる.導入時は少量からゆっくりと増量することが望ましい260).コントロールされていない喘息合併例においては注意が必要である.COPDの治
療は原則として心不全治療と並行して継続する261),262)
6 慢性閉塞性肺疾患(表40)
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表40 慢性閉塞性肺疾患を併存した心不全治療